The i-N Gazette 連載エッセイバックナンバー

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The N.I. Gazette 連載エッセイ「Thinking like Singing -- 自由に法哲学」のバックナンバーです。このページにはタイトルと冒頭部分を掲載しており、タイトルをクリックすると各エッセイを見ることができます。なお、エッセイ本文では、注番号をクリックすると対応する注を見ることができます。注から本文に戻るには、ブラウザの「戻る」ボタンをご利用ください。

※掲載紙は2004年2月に廃刊になりました。



Act 1 ゆるやかな前奏曲

「先生、日本をよくするにはどうしたらいいんでしょうか」
何年か前、講義を終えたわたしに、ひとりの学生がやってきて
こう尋ねた。

Act 2 発端

それは1枚の写真から始まった。誰もが見たことがあるような類の写真だ。 写っているのは幼い黒人の子ども。裸でうずくまる手足は、信じられないくら い細い。それなのに、お腹はぽこんと膨らんでいる。

Act 3 ソドムの街角から

背徳の街ソドム。どこかで名前を聞いたことがあるんじゃないかと思う。
ソドミー(異常性愛)の語源になったこの街は、神の怒りにふれて硫黄の火で焼き 滅ぼされたと聖書に記されている。しかし、この街を救おうとした男がいたこ とは、それほど知られていないんじゃないだろうか。

Act 4 神戸の蝶が世界に起こす風

北京で蝶がはばたいて空気をほんのすこし動かしたら、来月ニューヨークで嵐 になる。

Act 5 民主主義って無謀な企てにカンパイ?

考えてみれば、民主主義というのはムチャクチャである。
万世一系の絶対君主が治める「神の国」からやってきた人から次のように言わ れたとしたらどうだろう。

Act 6 彼女に見せられる法哲学

彼女と飲みに行くって、いいよね。でも、そこに「法哲学」がからんでくる と? 美女と野獣ならコントラストが美しいかもしれないけれど。

Act 7 大学の使い方・つぶし方

今後20年以内にかなりの大学がつぶれるだろう。

Act 8 宇宙の果てと公共性

宇宙には果てがあるのだろうか。

Act 9 二千年の人殺し

われわれには、二千数百年、人殺しの歴史がある。

Act 10 法哲学とは何か

お前のその危うさが
お前のやることしでかすこと、そのすべてが
法哲学なんだよ!

Act 11 過ぎ去った未来の中で

僕たちはまだ、過ぎ去った未来の中にいる。

21世紀になってしばらくたったけれど、どんな感じだろうか。
何でもないよ、けっこうフツーだね。そんなところかな。

Act 12 ブラックホールが見えるとき

ブラックホール。宇宙に開いた空間の穴。そのあまりの重力の強さに、光すら 外へ出ていくことができない。
そういうブラックホールが目に見えるときがあるし、大して珍しくもないだ ろう。そんな話を、ずいぶん前に読んだ。

Act 13 夢の島の夢の世界

別世界の豊かさを感じた4日間だった。ときどき、この国の豊かさを夢のように思うけれど、その中のまたさらに豊かな世界。

Act 14 ベルサイユのアブ

気持ちよく目覚めて、まずはビールを一杯。セッションは夜。それまで何をして過ごそうか。

Act 15 そこに弁護士がいるわけ

大阪府池田市で起きた児童殺傷事件が連日マスコミをにぎわせている。ワイドショー、マスコミは大喜びといった風情。大義名分のもと、決して殴り返してくることのない相手を袋叩きにしているという感じがして、なんだかわたしはキモチワルイんだけど。

Act 16 逆しまの塔動くとき

22世紀に向けて、いまいくつかのプロジェクトをわたしは始動させようとして いる。「逆しまのバベル」(RB)も動かしてみようか。あるきっかけから、そ ういう気になった。

Act 17 夏の日・心身二元論

太陽に殺意を感じる夏は、心身二元論がよく似合う。

Act 18 悪徳なき時代

60億すべての人を殺しつくしてもたった一人の君を守る。愛ってそういうもの だと思うから、ぼくは愛を語らない。

Act 19 死と暴力の世界で

悪い人を殺して
悪い人を殺して
悪い人を殺し尽くしたら
いい人だけのいい社会になるだろうか

Act 20 知ることと分かることと

あなたはいつ歯を磨いているだろうか。

毎日している歯磨きでも、自分がなぜやっているかなんて、きっかけでもなけ れば考えてみようとは思わない。人から聞かれると、テレビで聞いたようなこ とを答えてしまう。案外そんなものじゃないだろうか。

Act 21 ネットワークにうごめくもの

たった今、ウィルスに感染したメールを受け取ったところだ。予想通りまた 「W32.Badtrans.B@mm」。こいつはずいぶんと流行っているようで、わたしの 周囲にも感染者が何人か出た。

Act 22 殺す側の心

殺すなと言ってくれ
こころが安まるから
命は大切だと言ってくれ
こころ暖まるから

それでも俺は
殺すほうを選ぶかもしれないけど

Act 23 知と社会構造

たとえば、あなたが多少腕に覚えがあったとして、マイク・タイソンに勝負を 挑むだろうか。もちろんそんなことはしないはずだ。タイソンでなくても、プ ロボクサー相手に素人が勝負を挑むとしたら、無謀を通り越してムチャクチャ だと考えるのが普通だと思う。

Act 24 ネットワーク村社会

日本人は、どこにでもムラを作る。

こう言うと、ちょっと皮肉にすぎるだろうか。でも、これはインターネットで のコミュニケーションに見られるひとつの重要な特徴ではないかと思う。

Act 25 問題が間違っているとき

鏡に映った姿は、左右が逆になるのに上下が逆にならないのはなぜか?

こういうクイズを知っているだろうか。わたしが最初に出くわしたのは、たぶ ん小学生のころ。比較的最近(といっても時間は経っている)では、月刊アスキ ーの「近代プログラマーの夕べ」というコラムだ。けっこうあちこちで見かけ るから、たぶん、それなりにポピュラーな問題なのだろう。

Act 26 臓器と公共性・商品性

あなたの体は誰のもの、と聞かれたらどう答えるだろうか。
  -- わたしの体はわたしのもの。アタリマエでしょ。
おそらくそういう答えが返ってくると思うのだけれど、では、そこから次のよ うにいうとどうだろう。

Act 27 パレートと大岡越前

みんなが得をする。少なくとも損はしない。よくいう「三方一両損」じゃなくて、「三 方一両得」

まるであやしげなマルチ商法の勧誘文句だ。はたしてそんなウマイ話があるも のか、というと、実はある。

Act 28 あの人に贈りたい気持ち
自分の身近な人が、臓器移植でしか助からない重い病気にかかっている人がい るとしよう。そういう人を助けてたいと思う気持ちを否定することは誰にもで きないだろう。では、自分が脳死状態になったときに、臓器をその人にあげた いという「意思」についてはどうか。あなたがどう感じるかはともかく、今は 提供者の意思による特定の誰かへの臓器提供は「当面認めない」方向で話が進 んでいる。
Act 29 老醜の世界から
血だ。水の中を赤く糸を引いてゆっくりと流れていく。
食事の後、急に気分が悪くなって嘔吐した。その中にその流れはあった。その 色の鮮やかさから、胃から出たものではないようだ。繰り返し突き上げる不快 感をこらえながら、わたしは、ムリをして生きているつもりがないことを確認 していた。
Act 30 古くて新しい豊かさへの序曲
新しい生活。新しい部屋、新しい土地、新しい家具、新しい家電製品、新しい 研究棟、新しい研究室、新しい仕事、新しいコンピュータ、新しいOS、新しい 学会、新しい自転車、新しいバイク、新しい知り合い、新しい恋人。
Act 31 書き手の気持ち
あなたは豊かですか?
そう聞かれたら、あなたはどう答えるだろう。どう答えるにせよ、その次の答えが たぶんもっと重要だ。
Act 32 紙とインターネット
しばらくぶり、で申し訳ない。忙しすぎて書けなかった。わたしの忙しいなど、 世の中の本当に忙しい人に比べたらお笑い草だとは思うのだが、連載の原稿を まともに書けないくらいには時間が足りなかったのだ。じゃ、今回はまともに 書けているのかというと、そうではないかもしれないのだが。いま、電車の中 だ。なんとか、大阪との往復の間に書き上げてしまいたいと急いでいる。
Act 33 法哲学者の現場
「法哲学者にとって現場とは何か」と尋ねられたことがある。
法哲学者にとっては、今いるところが現場だ−−−
いや、話は逆かもしれない。


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