法哲学とは何か


(1)世界をバイオにする方法

法哲学は、社会のコンセプトを提案する。ここでいう「コンセプト」は、商品コンセプトとか設計思想に当るものだ。SONYのVAIOのことを考えてみてほしい。1997年に登場した初代505は、一つの革命だった。"こんなパソコンが欲しかったんだ"そう思わせる力をVAIOは備えていた。

VAIOは、製造技術が特に優れていたわけではない。VAIO が優れていたのは、まさに製品コンセプト、設計思想の部分だった。CPUパワーやメモリの量といった、パソコン的発想で作られていた製品しかなかったときに、VAIOは「持って歩きたくなるコミュニケーションツール」として登場したのだ。

法哲学は、法制度の新たなコンセプトを描く。新しい法システムの設計思想を語り、よりよい社会へのヴィジョンを示し、道を拓く。

いま、世界中で一日に3万人以上の子どもたちが実にくだらない理由で死んでいっている。助けられるはずの命が失われている。 先進国の過剰な消費によって「環境破壊」は深刻化しつづけていて、人類の長期的存続さえ危うくなっている。

法哲学はこの現状を改善することができる。世界の悲惨と苦痛を和らげることができる。理想か夢想にしか聞こえないだろうか。

法哲学は単なる理想ではない。問題を処理する具体的な手順とシステムを、普通の人が使えるかたちで設計することができる。法哲学は、普通の人が3キログラムもあるノートパソコンをいつも持って歩けると考えたりはしない。

法哲学は、世界をバイオにする?

というと、少しばかり誇張だ。社会は一から設計できないからだ。今ある社会を変えていかなければならないのだ。だが上に述べたことが決してウソではないことをわたしはこれからの仕事で示していくつもりだ。


※ 筆者の法哲学についての考え方は、他の人とずいぶん違います。なお、「法哲学とは何か」の語り方については、メールマガジン連載 Act 10 法哲学とは何か をご参照ください。





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