ゲラ届いて



ゲラが届いた。

ゲラというのは、校正用の試し刷りのことだ。もともとは、組み上げた活字版を収める長方形の盤のことだったらしい。一字ごとのハンコの集合体みたいなものだ。コンピュータ化されて実体が無くなってもことばだけは残っている。

校正作業も、ずいぶんと楽になった、らしい。わたしも手書き原稿を印刷に回した経験がないから実感としては分からないのだが、昔だと、時に汚い手書きを読み取る際の誤りと、読み取った結果にしたがって活字を選ぶ際の誤りとで、けっこう誤植が多くなってしまったということだ。

ただ、今回は単純なミスを訂正するという形式的作業だけではなく、編集者がつけた見出しをチェックするという実質作業がある。

これは完全に編集者任せにしたほうがいいのかもしれない。楽だし。

後一つ、もっと書いて欲しいと言われたことをどうするか‥‥。書けば書くほどよくなる、かどうかは難しい問題だ。詳しく説明すると、部分的には分かりやすくなるのだが、全体のバランスを崩してしまうからだ。

しかし、なかなか解放されないものだ。倦まず弛まず続けるしかないのだろう。すべてから永遠に解放されるまで。





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