It's away !
完全校了



It's away !

そんな気分だ。新書の原稿はもう印刷所に回っている。

It's away !

これは、映画「スターウォーズ」第1作の戦闘機パイロットのセリフだ。
敵の宇宙要塞・デススターの唯一の弱点は、幅2メートルの排熱口。狭い進入路を通って爆撃しなければならない。要塞の砲火にさらされ、敵機の追撃をかわし、目標に肉薄する中、掩護の味方は突入機をかばって一機ずつ射ち落とされていく。

ついにたどりついた目標に向かって、彼は爆弾を投下する*。

It's away !

どうもこのセリフは日本語にならない。「ぶっ放した!」では下品にすぎる。「行ったぞ!」では迫力がない。

激しい攻撃に耐え、コンピュータ制御の照準装置に従って爆弾は投下された。もう彼にできることはない。

三校のために新書の原稿を通読した。感動的な体験だった。

原稿の出来が良かったということではない。原稿は不満だらけだ。自信作ではない。いままで書きたいことだけを書いてきたが、今回は、書きたくないが書いた方がよいことも書いた。十分に書き込めなかった、のは今までも同じだが、今回は以前にも増して苦しかった。

感動したのは、「問題に立ち向かう気分」を再体験したからだ。取り組むべき問題に全力を挙げて取り組むこと、すべてを尽くして考えることほどわくわくすることはない。

It's away !

新書は世界に向けて放たれた。もうわたしにできることはない。



*ちなみに、彼の爆弾は目標をわずかにそれた。





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