Act2 の「生涯ただ一度の敗北」とはどのようなものでしたか


 大学2年生の夏休みのことです。高速道路のサービスエリアにあるレストランでアルバイトをしていたとき、「それ」は出されました。
 お昼ご飯として出されたものの中に、スープらしきものがありました。葛湯のようなどろりとした暖かい液体にキュウリを切って浮かべたもの、と言ってもどんな味かは想像できないでしょうね。わたしも、この言葉からは想像できません。他のアルバイトや正社員は、みんなちょっと口をつけただけで顔をしかめて食べるのをやめていました。
 でも、わたしは食べました。長く苦しい戦いでしたがわたしは勝ったのです、やっとの思いで。

まさかその後があろうとは‥‥
 「それ」が出てきたのは、夕食の時でした。昼食の時に出たスープ(たぶん)を、冷たく冷やしたものでした。調理として冷やしたというよりは、腐らないように冷蔵庫に入れていたのでしょう。ありがたい配慮です。でも、仮に腐ったとしてなにか違いがあったか、わたしには分かりません。
 冷たくなったことでさらにねっとりとしたそれは舌にノドにからみつき、執拗に自己主張しました。他のバイト、正社員が見ただけで口を付けなかったのは言うまでもありません。わたしは、四分の三まではなんとか食べて、ついに気持ちが悪くなってギブアップしたのでした。
 わたしがマズくて食べられなかったものは生涯ただ一度、「それ」だけです。
 今もう一度挑戦してみれば、食べきれるかもしれないなぁ、とは思います。でも、そんな機会が訪れないことを祈らずにはいられません。



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